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ガッチリ固定できる照準器

明るく見やすい照準器であっても固定方法が良くなければ性能を引き出せません。
以下に照準器を20年近く実践しているDISISCO.COM 設計者の思想をご案内します。

剛直にガッチリ固定

『考えられる固定場所は「ホットシュー」「カメラネジ」が一般的。
レンズ脚部やフード先端なども候補であるが難易度が高い
ホットシューは差し込み型でネジで負の押圧を行うので位置決め&固定に優れる
カメラネジはガイド性が脆弱なので、固定ねじによる大きな押圧が必要
ホットシュー固定は差し込みプレートとシュー側壁の遊びを最小にする
プレートを引き上げホットシューを挟む力を最大限にしなければならない
材質の伸び(クリープ現象)などが少ない材質を選ぶ』

➡カメラネジは使用は長いプレートを1点止め及びコルクなどの緩衝材を介在するので緩みが出やすいと判断。
ホットシューはISO規格が標準となるが、カメラメーカー各社の独自寸法があり一番狭いニコンのホットシューにマッチするように決めた。キヤノン、SONYなどでは少々遊びがある(と言っても0.1~0.2mm)
ネジ規格も独自の理論・寸法で材質から仕上げまでを使用用途において一番理想的なものを製作。
樹脂製のダイヤルなどはクリープ変形して緩むので真鍮の削り出しとした。

可動個所を最少にして緩みを抑る

『緩む場所は可動個所なので最小にする
設計上の可動個所はできれば接着併用などで固定
可動・可変が必要な個所は大きな接触面を持ち押圧固定ができること
撮影現場での調整のための可変個所はワンタッチで大きな押圧ができる方法をとる』

➡例えばネジ止めにしてもネジ径を大きくして接着併用で固定。
できる限り工具なしでしっかり固定できる仕様にした。
接合個所を最低限にすることも基礎的な対処。

多少の接触ではズレない

『指や手、顔の一部などの軽い接触ではズレないことが必須
接触しにくい配置と形状・大きさが求められます。
ホットシューへのステー差し込みが緩々な状態だと小さな衝撃でもズレてしまいます。
また、接合部が緩んでしまう場合がありますが、商品設計としては論外です。
ホットシューが緩まないこと、接合部が剛直に接合されていること。』

➡ホットシューはストロボなどを固定しても十分な強度を持っています。
剛直に固定すれば多少の接触ではズレないようにしてあります。
例えばホットシューに差し込むプレートが寸法不足の場合、少し緩んだだけで大きなズレが発生します。
基礎設計に遊びが無く、かつ、ダイヤルでしっかり固定できればズレの発生を防げます。

ズレても簡単に治せる

『撮影時に照準がズレていると大きな機会損失につながる。
固定部が剛直であれば可変部の修正だけですむ
調整ねじ(レバー)一か所だけで修正できることが好ましい
L型レンチなど工具なしで修正できることが良い』

➡できる限り撮影現場での工具使用を減らすのが良い。
ズレが発生しない基礎設計で根本的な予防をして、
現地で再度調整の必要性が出たときは指先でレバーやダイヤルを操作する。
このように修正まで考えて製品にする。

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